待合室で
簑虫の、次の順に廻ってくる転生に対して不平を言ってくる奴はこいつが初めてだ。なぜかシャクに触るというか、見た目も尺取り虫に似ているクセに生意気だぞ。こいつは昔鳥だった時、業務用の巨大な換気扇に突っ込んで死んだのだ。憲法記念日だった。前々から脇の下が痛いと漏らしていたっけ。あれはもう死期が近かった、という兆しだったのだろうか。こんな事を言うのもなんだが俺はああいう輩が一番嫌いだ。ムダに騒がしくて、生きてる内が花、とか本気で思っているような奴が。生きるも死ぬも全ては運命なのだ。蜘蛛爺も煙たがっていたが、所詮いきがる奴が一番枯れてるのさ...こいつは今度生まれ変わったら人間になりたいと言っていた。生きてモハメドアリを信仰するって言ってた。奴が言うには世界一の神なんだそうな。神にすがるなんて一体どんな狂気の沙汰だろう?そんなものに夢中になるぐらいなら博打でも売ってる方がマシだ。神様なんて、夏に溶けちまうアイスクリームみたいなものさ。俺はこいつが、次世でどんな辛い生き方をするのかが楽しみで仕方がない。とっとと行きやがれ。


